あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語
その朝、私はいつもより少しだけ早く出社していた。

月曜の朝は会議が重なる。

コーヒーを一口飲みながらスケジュールを確認していると、内線が鳴った。

「高瀬部長、本日の人事異動者がご挨拶に伺います」

「ええ、通して」

受話器を置いて、私は軽く息を吐いた。

今期は組織改編が多い。

新しい人材が入るのは悪いことではないけれど、使える人間かどうか見極めるまでは気が抜けない。

ほどなくして、ドアがノックされた。

「失礼します」

その声に顔を上げた瞬間、私はわずかに目を見開いた。

背の高い男だった。

濃紺のスーツをきちんと着こなし、姿勢がいい。

派手さはないのに、妙に目を引く。

整った顔立ちもそうだけれど、それ以上に立ち居振る舞いに無駄がなかった。
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