パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語
「負の魔法使いといえば、絶望を糧にする大魔法使いではないか」

「そんな怪物に立ち向かえる者など、我らの一族にいるはずも……」

 怯える長老たちを背に、マザー・ベルは静かに、けれど強く決意を固めました。
 そして、ある一人の人物を呼び寄せたのです。

 名は、『パフェ・リュミエール』。

 この国一番の「変わり者」として知られる女性です。

 黒い装束に身を包み、厳粛な面持ちで並ぶ長老たちの間を、一人の女性が悠然と歩み進みます。
 その姿を見た者たちは、驚きと落胆に息を呑みました。

 見た目は、人間でいえば二十歳ほどの瑞々しい乙女。

 喪に服すような黒一色の周囲とは対照的に、彼女は春の訪れを告げるような、淡いピンク色のワンピースドレスを纏っていました。

 三つ編みに編まれた柔らかな髪を揺らし、大きな白いハットの縁に手を添えて。

 教壇に立つマザー・ベルの前にたどり着くと、彼女は花が綻ぶような微笑みを浮かべて言いました。

「ボンジョルノ(ごきげんよう)!」

 その場にいた長老たちは、一斉に肩を落とし、深いため息をつきました。
 けれど、この軽やかな挨拶こそが、閉ざされた魔法の国の運命を揺り動かす「希望」の音色だったのです。
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