手を、つないで 〜ふたりの時間〜
11.茉歩
「まっほーおはよー」
部屋に入ってすぐ、早苗ちゃんが後から入ってきた。
「おはよう」
早苗ちゃんはにこにこしてる。
「なーんかいいことあるかなー」
たまに聞く早苗ちゃん作の歌を歌いながら、仕事の準備をしてる。何かいいことあったのかな?
私も席に着いて、準備を始める。
視線を感じる。早苗ちゃんの。
なにかな、と思ってそちらを見たら、にこにこじゃなくて、にまにましてた。
このにまにまは……もしかして、さっき彼と話してるのを見られてた?さっき、早苗ちゃんは私のすぐ後から部屋に入ってきた。
「あの、早苗ちゃん」
「んーん」
早苗ちゃんは私の肩をポンポンと叩き、首を横に振った。『皆まで言うな』と聞こえてくるようだ。
かあっと顔が熱くなった。恥ずかしい。
早苗ちゃんはもう一度肩をポンポンと叩き、仕事の準備に戻る。
会社ではもっと気を配ろう……。