桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
どさっ。
取っ組み合ったまま、二人が私のベッドに倒れ込んだ。
「うそでしょ!?」
「やーいばーかばーか」
「うるせぇ!」
敦兄に煽られた俊兄が、とっさにベッドのウサギのぬいぐるみを掴む。
そのまま敦兄を殴ろうと振り上げた——
が。
すぽっ。
見事に手から抜けた。
ウサギがふわっと飛び、
私の横を通り過ぎて——
まさかの、机の上のランプに直撃。
パリーン!!
派手な音が部屋に響いた。
「きゃああ!!」
思わず叫ぶ。
敦兄と俊兄の動きが、ぴたりと止まる。
二人とも、ゆっくり割れたランプを見る。
「……」
「……」
私は床に散らばった破片を見下ろした。
花の形だったそれは、もう見る影もない。
「……このランプ」
ぽつりと言う。
「気に入ってたのに……」
「り、りあ、ごめん!」
「悪い!」
二人同時。
でも、もう遅い。
私は、びしっとドアを指差す。
「もういいっ!」
二人がびくっとする。
「二人とも嫌い! 出て行ってよ!」
「……!」
男二人、固まる。
「嫌い」という言葉が、直撃した顔だ。
そのまま私は二人をぐいぐい押し出した。
「ほら! 出てって!」
ばたん。
ドアを閉める。
廊下に締め出された男二人は、
しばらく無言だった。