桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
「おい。今の声」
振り向くと、部活帰りの俊が立っていた。
タオルを肩にかけたまま、涼しい顔。
「あぁ」
「あぁ、じゃ分かんねーだろ」
俊に言われ、敦は小さく舌打ちする。
「……誰からだ」
「教えてやんねー。生意気な言い方すんなよ。
こっちは兄ちゃんだからな」
「は?双子だろ」
「俺の方が先に母ちゃんの股から出てきてる」
「股とか言うな」
「細けぇ」
いつも通りの、どうでもいいやり取り。
いつもの温度。
だが今日は、どこか少しだけ違う。
敦は軽くため息を吐き、ソファの上を目がけてスマホを放った。