桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
廊下の方から、足音。
「……りあ?」
顔を上げると、敦兄が立っていた。
「あれ、あいつら……」
「出かけたよ」
「あ、そうなのか」
敦兄は少し首をかしげ、それから私を見た。
「……なんかごめんな」
「え?」
「俺、お前が帰る日間違えてたしな」
慌てて首を横に振りながら、できるだけ明るく言う。
「ううん!大丈夫だよ!
あっちゃん行ってらっしゃい」
敦兄は、少し黙った後じっと私を見る。
その視線に気づいて、思わず目を逸らす。
「なーに言ってんだよ」
呆れたように敦兄が笑った。
「どこにも行かねーよ、俺は」
「え?でも……」
「なんだよ、追い出すのかよ〜」
わざとらしく肩をすくめる。
「ちょっと待っててな」
そう言うと、スマホを手に持ってダイニングを出ていった。
廊下の方で、小さく声が聞こえる。
――それから、五分くらいして。
「悪い悪い」
敦兄が戻ってきた。
「今日くらい、付き合えよ」
そう言ってにっと笑った。