桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜



……あれ。


なんだか、急に心細い。

頭がぼんやりする。

ダイニングの椅子にもたれながら、ぼーっと天井を見上げた。

ぼんやりする頭の中で、帰国してからのことがぐるぐる回る。


あっちゃん。安心。
俊兄。優しい。
颯太。生意気だけど、可愛い。


そして――

隼人。

私は、ゆらりと立ち上がった。


「外の空気……吸いたい……」


ふらふらと廊下へ出る。

歩きながら、さっきの兄弟たちの顔が頭の中でぐるぐる回る。


あっちゃん。プリン。
俊兄。うさぎ。
颯太。バカヤロウ。


そして――


隼人。川。


……そうだ。

隼人。


廊下に出た、その時。

玄関の方から、人影が見えた。 


「……なに」


低い声。

隼人だ。

私はぼんやりその顔を見る。


「隼人――」


隼人は少し驚いた顔をしたけれど、すぐに視線を外すと、そのまま私の横を通り過ぎようとした。

背中を見て、ふと思い出す。

――そうだ。

隼人に、言いたいことがある。

胸の奥が熱くなる。


「……おい!隼人ぉ!」


気づけば叫んでいた。
< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop