桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜


その時。

少し離れた場所で、私を睨んでいる子がいた。

その目だけが、妙に印象に残った。


きれい。
女の子みたい。


でも、お母さんからは男の子が四人いるって聞いていた。
その中に、私と同い年の子がいるって。

……この子かな?

私はそっと近づく。

「……よろしく」

握手するみたいに手を出した。

その瞬間。


「っさわんな!」


バシッ。

男の子が私の手を払った。

「おい、隼人!」

大介さんの声が飛ぶ。

払われた手がじんと痛くて、
次の瞬間、涙がぶわっとあふれた。

「うえーーん!」

「はいはい、りあ。大丈夫。泣かないの」

お母さんが、あやすように私を抱き寄せる。

「ふええ」

颯太までつられて泣き出した。

「隼人!お前何してんだよ!」

敦が一歩前に出る。

「ほら颯太、泣き止めって」

慰めるような俊の声がする。

その騒ぎの中で、隼人だけがどこか困ったような顔をしていた。

「っ……なんだよ」


――その時のことは、今でも覚えている。


それが、隼人との最初の出会いだった。
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