桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
第7話 戻った日常
隼人が去ったあと。
私はゆっくり階段を下りて、洗面所へ向かった。
蛇口をひねり、冷たい水で顔を洗う。
ひんやりした水が頬を流れていく。
頭の奥の重さが、少しずつ引いていく。
「ふぅ……」
タオルで顔を拭きながら顔を上げる。
鏡の中の自分と、目が合う。
――隼人。
さっきの顔が、ふっと浮かんだ。
『無茶すんな』
あの一言だけが、やけに残っている。
「っ……」
私はそれをかき消すよう、小さく首を振った。
その時。
一階から、よく通る声が響いた。
「おーい! りあ、起きたか?」
敦兄の声。
そして続けて、
「学校、行くぞー!」
「!!」
一気に現実に引き戻された気がした。