桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
家を出て、制服姿の敦兄と並んで歩く。
「お前、体調もう大丈夫か?」
「うん! あ、ごめんね。あっちゃんにも迷惑かけちゃって……」
軽く笑って、前を向いて歩き出す。
敦兄が横目でこちらを見た気がしたけれど、
気にせずそのまま歩いた。
「でも、私服で学校行くの変な感じ」
「ああ、今日か明日にはもらえるだろ」
ふと、隣を歩く敦兄の制服が視界に入る。
――あ。
さっきの隼人の学ランが、ふっと頭に浮かぶ。
「そういえばさ」
「ん?」
「……隼人、違う学校なんだね」
「ああ、しかもあいつ男子校。むさっ苦しいよな。かわいそ〜」
敦兄の言い方に、思わず苦笑する。
「俊兄と颯太は一緒だよね?」
「ああ。あいつらは先行ってる。……部活あるんだって」
俊兄は中学から剣道部。
颯太は小さい頃からサッカーが好きだった。
「……あれ、あっちゃんは剣道やめたの?」
敦兄は少し肩をすくめる。
「だってさ、思ったより全然モテねーんだもん」
「ふふ、何言ってんの」
私は敦兄の横顔をちらっと見る。
笑ってるけど――
どこか、いつもの軽さと少し違う気がした。
でも、敦兄がこういう言い方をする時は、
あまり踏み込まない方がいい。
私はあえて、それ以上聞かなかった。
……いや、正確には。
気になったけど、聞けなかった。
「お前、体調もう大丈夫か?」
「うん! あ、ごめんね。あっちゃんにも迷惑かけちゃって……」
軽く笑って、前を向いて歩き出す。
敦兄が横目でこちらを見た気がしたけれど、
気にせずそのまま歩いた。
「でも、私服で学校行くの変な感じ」
「ああ、今日か明日にはもらえるだろ」
ふと、隣を歩く敦兄の制服が視界に入る。
――あ。
さっきの隼人の学ランが、ふっと頭に浮かぶ。
「そういえばさ」
「ん?」
「……隼人、違う学校なんだね」
「ああ、しかもあいつ男子校。むさっ苦しいよな。かわいそ〜」
敦兄の言い方に、思わず苦笑する。
「俊兄と颯太は一緒だよね?」
「ああ。あいつらは先行ってる。……部活あるんだって」
俊兄は中学から剣道部。
颯太は小さい頃からサッカーが好きだった。
「……あれ、あっちゃんは剣道やめたの?」
敦兄は少し肩をすくめる。
「だってさ、思ったより全然モテねーんだもん」
「ふふ、何言ってんの」
私は敦兄の横顔をちらっと見る。
笑ってるけど――
どこか、いつもの軽さと少し違う気がした。
でも、敦兄がこういう言い方をする時は、
あまり踏み込まない方がいい。
私はあえて、それ以上聞かなかった。
……いや、正確には。
気になったけど、聞けなかった。