桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

第1話 再会の匂い

「——ずっと側にいるから」

泣きそうな、男の子の声。

そっと握られた手は、ひやりと冷たくて。
でも、不思議と安心していた。

——夢。

きっと、夢を見ている。

あの日のまま、止まっている夢。

ふわふわして、気持ちいい。
このまま目が覚めなければいいのに、と一瞬だけ思った。


『まもなく着陸いたします。座席にお戻りいただき、シートベルトをお締めください』


機内アナウンスが現実を引き戻す。

ゆっくり目を開ける。

日本に、戻ってきた。

逃げるためじゃなくて。
ちゃんと、向き合うために。 

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