冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「はい」

「これからは、好きだと思ったらちゃんと言う」

その言葉に、私は目を閉じた。

「……はい」

「返事は?」

 少しだけ意地悪に問われて、私は笑う。

「お願いします、圭太さん」

「よし」

そう言って髪に口づけてくるところが、やっぱりずるい。

ベンチのそばで少しだけ身体を離すと、圭太は改めて私を見つめた。

光の中で見るその顔は、もう冷徹社長のものじゃなかった。

私を愛し、人生を共にしたいと願う、一人の男の顔だった。

三年の片想い。

届かないと思っていた毎日。

出張先の一夜。

迷いも、不安も、涙も、全部越えて。

私はようやく、愛される幸せを受け取った。

夜空の下、イルミネーションはどこまでもきらめいている。

その光の中で、圭太さんはもう一度だけ私の手を握り直した。
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