冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「大事なことだから」

「三浦さん、案外本気なんですね」

「もちろん本気ですよ」

真っ直ぐな声に、私は一瞬返事を失った。

「俺、由真さんとなら、ちゃんと生活していける気がするんだ」

生活。恋に酔うだけじゃなく、日々を共にすること。

疲れて帰ってきた時に、おかえりと言い合えること。

そういう未来を、この人は自然に語る。

「……ありがとうございます」

「こちらこそ」

電話を切ったあと、私は静かな部屋で膝を抱えた。

嬉しいはずだ。

こんなに大切に扱われて、未来を見据えてくれて、子どものことも受け止めてくれる。

結婚するなら、こういう人がいい。

本当にそう思う。

なのに。

圭太さんを見るたび、どうして涙が出てくるんだろう。
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