冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
そんなある夜、母から電話がかかってきた。

「由真、今大丈夫?」

「うん、どうしたの?」

母の声は、妙に弾んでいた。

「あのね、三浦さんのご実家から連絡があったの」

胸がどくんと鳴る。

「……連絡?」

「正式に婚約してほしいって」

私は息を呑んだ。

「え……」

「もちろん、すぐに返事をしろってことじゃないわよ。でも、向こうは本気みたい。あなたのこと、とても気に入ってくださったんですって」

「そんな、急に……」

「急にじゃないわよ。何度か連絡も取ってるんでしょう?」

「それは……そうだけど」

「由真、いいご縁よ。穏やかで、誠実で、家庭のこともちゃんと考えてくれる方なんて、そういないんだから」
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