冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
取引先とのやり取りは予定より長引き、急な修正も入り、私は最後まで資料の差し替えに追われた。

ようやく相手を見送った時には、肩が抜けるように疲れていた。

「お疲れさまでした」

自分でも驚くほど小さな声が出る。

圭太さんはネクタイを少し緩め、私を見た。

「座れ」

「大丈夫です」

「いいから」

向かいのソファを示され、私は観念して腰を下ろした。

圭太さんもその前に座る。

「今日の進行は悪くなかった」

「ありがとうございます」

「午後の報告も問題ない」

「はい」

「だが、無理をしすぎだ」

またその話だ。

心配されるたびに苦しくなる。

「社長は、私をよく働かせますよね」
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