冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
こんなの、ただの尋問だ。

でも私は、三年もこの人を見てきた。

冷たい顔の奥に、今、怒りにも似た何かがあることくらい分かる。

「言えないなら、俺が当てようか」

「社長……」

「その見合い相手じゃないな」

心臓が痛いほど鳴る。

「だったら誰だ」

言わないで。

これ以上追い詰めないで。

そう思うのに、圭太の目は容赦なく私を見つめていた。

「おまえは、他の男のところに行くつもりなのか」

低く、押し殺した声。

「え……」

「俺の前で、そう言うのか」

その一言に、頭が真っ白になった。

何を言われているのか分からない。

分からないのに、胸だけが熱く痛む。

「社長……どうして」
< 33 / 108 >

この作品をシェア

pagetop