冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「……そうです」

「穏やかで、誠実で、結婚相手としては申し分ない」

圭太さんはそこまで言って、グラスを置いた。

「それでも、他の男の元には行かせない」

はっきりと、低く告げられる。

私は息を呑んだ。

もうさっきみたいな牽制ではない。

これは、意思だ。決意だ。奪うと決めた男の声だった。

「そんなこと……」

「できる」

「圭太さん、私は」

「おまえは俺を好きなんだろう」

逃げ道を塞ぐみたいに言われて、視線が揺れる。

「違うのか」

「違わないです」

泣きそうになりながら、私は俯いた。

「ずっと好きでした。三年、ずっと……でも、叶うなんて思ってなかった」

「叶う」

即答だった。

「俺がその想いを叶える」
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