冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
低い声で問われて、私は一気に顔が熱くなった。

「そういうことじゃありません」

「なら閉めろ」

言われるままに鍵をかけると、それだけで鼓動が速くなる。

振り返った瞬間、圭太さんが立ち上がった。

「資料は」

「こちらです」

差し出そうとした手首を、軽く取られる。

「きゃ……」

「大声を出すな」

「だって、急に」

「会いたかった」

真顔で言われて、息が止まった。

「……社長」

「今はそれじゃない」

「圭太、さん……」

名前を呼び直すと、圭太さんの表情が少しやわらぐ。

「それでいい」

そのまま引き寄せられ、私は彼の胸にぶつかった。

スーツ越しの体温が熱い。

昼の社長室なのに、昨夜の続きみたいな空気が流れる。

「昨日の夜から、まともに仕事にならない」
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