冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「え……」

「おまえの顔を見るたび思い出す」

そんなことを、平然と、しかもこの場所で言うなんて。

「私は、ちゃんと仕事してました」

「俺もしている」

「してないじゃないですか」

「している。だが足りない」

「何がですか」

「距離が」

言うなり、圭太さんが私の顎に触れた。

軽く上を向かされ、唇が重なる。

「ん……」

短い、でも熱のこもった口づけ。

触れただけなのに、腰が抜けそうになる。

「け、圭太さん。ここ、会社です」

「知っている」

「知ってるなら……」

「誰も入ってこない」

「そういう問題じゃ……」

言葉を失う私を見て、圭太さんがかすかに笑う。

「顔が赤い」

「圭太さんのせいです」

「そうか」

 嬉しそうに言うのがずるい。

「書類を置いて戻れ」
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