冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした

6. 見合い相手とのデート

土曜の午後、待ち合わせ場所のホテルラウンジに着いた時、私はまだ少しだけ迷っていた。

本当に来てよかったのだろうか。

いや、来るべきだったのだと思う。

三浦さんは何も悪くない。

むしろ、ちゃんと向き合ってくれている。

私も曖昧なまま甘えてはいけない。

ホテルのラウンジは、週末らしく上品な賑わいに包まれていた。

大きな窓の向こうには冬の淡い光が差し込み、ロビーを行き交う人たちの服装もどこか華やかに見える。

「由真さん」

穏やかな声に振り向くと、三浦恒一郎さんが立っていた。

「お待たせしました」

「いや、俺も今来たところです」

相変わらず、柔らかく笑う人だ。

圧がなくて、落ち着いていて、話しやすい。

今日も濃紺のジャケットがよく似合っていて、年上らしい余裕が自然に滲んでいた。
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