冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした

8. 三浦との対峙

翌日の午後、秘書室に一本の電話が入った。

「……はい、朝倉です」

『三浦恒一郎です』

その落ち着いた声を聞いた瞬間、胸がきゅっと縮む。

「三浦さん……」

『突然すみません。少しだけ、話せませんか』

「……はい」

逃げるわけにはいかなかった。

昨夜、圭太さんの前で本音を全部こぼしたからといって、それで何もかも終わるわけじゃない。

三浦さんには、ちゃんと私の口で伝えなければいけない。

『今、会社の近くまで来ています』

「え?」

『一方的に押しかけるつもりはなかったんですけど……どうしても、きちんと顔を見て話したくて』

私は思わず窓の外に目を向けた。

もちろんここから見えるはずはない。

それでも、胸の中が落ち着かない。

「分かりました。少しだけ、時間をいただいてもいいですか」
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