冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
私はゆっくりと三浦さんに向き直る。

「三浦さん」

「はい」

「これまで、優しくしてくださってありがとうございました」

言った瞬間、喉が熱くなった。

「私、三浦さんといると、穏やかな未来を思い描けました。結婚するなら、こういう方がいいんだろうなって、本気で思っていました」

「……うん」

「でも」

私は息を吸った。

「私が好きなのは、圭太さんです」

声は震えたけれど、今度は逸らさなかった。

「家庭も、子どもも、現実も、ちゃんと考えたいです。でも、それを一緒に考えたい相手は……圭太さんなんです」

長い沈黙が落ちる。

やがて三浦さんは、ほんの少しだけ笑った。

寂しそうで、それでもどこかすっきりしたような顔だった。

「そう言ってもらえたなら、仕方ないな」
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