冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「終わった……」

「ああ」

圭太さんの声が近づく。

「由真」

振り向いた瞬間、抱き寄せられた。

「圭太さん」

「よく言った」

低く囁かれて、胸がいっぱいになる。

「怖かったです」

「だろうな」

「でも、逃げたくなかった」

「知っている」

その腕の中で、私はやっと少しだけ力を抜いた。

条件でも立場でもなく。

未来ごと引き受けると言ってくれた人がいる。

それが、何より嬉しかった。
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