クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした

お昼過ぎ、受付を交代する時間になった。

「美月ちゃん、お疲れ様!」

凛ちゃんが、笑顔で声をかけてくれた。

「美月ちゃんの仕掛け、みんなびっくりしてたよ。本当に助かった」

凛ちゃんの言葉は、さらっとしていた。大げさじゃない分、じんわりと心に沁みてくる。

「ありがとう、凛ちゃん」

「ん? 何が?」

「いつも、声をかけてくれて」

「当たり前じゃん。美月ちゃんは、私の友達だもん」

友達。

耳慣れないその二文字が、胸の奥にすとんと落ちてきた。

のどの奥が少しだけ熱くなって、私は慌てて視線を落とした。

「……うん。ありがとう、凛ちゃん」

凛ちゃんは、私の照れくさそうな顔を見て、いたずらっぽく笑った。



廊下に出ると、翼くんが待っていた。

「お疲れさま」

「翼くん、どうしたの?」

「良かったら、俺と一緒に文化祭回らない?」

え……?
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