クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした
翌日の放課後。私と翼くん、小野田さんは、宮本くんのところに行った。
「宮本先輩」
小野田さんが、細い声で言う。
「私が……怪盗ムーンの偽物です」
宮本くんが、目を丸くして小野田さんを見る。
「先輩の大切な腕時計、騙し取って……本当に、ごめんなさい」
小野田さんは、深く頭を下げた。涙が、音もなく床に落ちた。
私は、腕時計を宮本くんに差し出した。
「これ、取り戻したよ」
「俺の腕時計……!」
宮本くんは腕時計を手に取ると、しばらくそれを見つめた。
「正直、すぐには許せない」
腕を組んで、小野田さんを見据える。小野田さんの顔が、青ざめた。
宮本くんは、しばらく黙っていた。壁の時計が、コチコチと音を刻む。
「……でも」
ようやく、宮本くんの声が変わった。