クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした

「俺も、一人で抱え込んで、ひどい目にあったことがあるから。担任に相談してみろよ。一人で抱え込まなくていいから」

宮本くんはそう言うと、ふいっと顔をそむけた。

「……修学旅行、ちゃんと行けよ。一人で悩んでたなら、もっと早く言えばよかったのに」

その言葉に、小野田さんの目から涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。

「……っ、はい。ありがとうございます……!」



その日の放課後。私は小野田さんと一緒に、担任の先生のところへ向かった。

扉の前で、小野田さんの足が止まった。

「怒られますよね」

「怒られるかもしれない。でも、隠したままより、ずっといいよ」

小野田さんは、こくりと頷いた。

ドアを開けると、担任の先生が書類から顔を上げた。

「あら、どうしたの?」

「先生、お話があります。修学旅行の積立金のことで……ずっと、言えなくて」
< 75 / 107 >

この作品をシェア

pagetop