クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした
「俺も、一人で抱え込んで、ひどい目にあったことがあるから。担任に相談してみろよ。一人で抱え込まなくていいから」
宮本くんはそう言うと、ふいっと顔をそむけた。
「……修学旅行、ちゃんと行けよ。一人で悩んでたなら、もっと早く言えばよかったのに」
その言葉に、小野田さんの目から涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
「……っ、はい。ありがとうございます……!」
*
その日の放課後。私は小野田さんと一緒に、担任の先生のところへ向かった。
扉の前で、小野田さんの足が止まった。
「怒られますよね」
「怒られるかもしれない。でも、隠したままより、ずっといいよ」
小野田さんは、こくりと頷いた。
ドアを開けると、担任の先生が書類から顔を上げた。
「あら、どうしたの?」
「先生、お話があります。修学旅行の積立金のことで……ずっと、言えなくて」