クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした

月曜日の昼休み。図書室で過ごしていると、凛ちゃんがやって来た。

いつもの弾けるような笑顔はなかった。

「美月ちゃん、ちょっといい?」

「どうしたの?」

凛ちゃんは周りを確認してから、隣に座った。

「あのね……前から気になってたんだけど」

胸がドキドキし始める。

「美月ちゃんって、もしかして……」

凛ちゃんの視線が、私の手元に落ちた。

そこには、『星の王子さま』

「その本、いつも大事そうに持ってるよね」

「え……」

「それに、怪盗ムーンが現れた次の日、美月ちゃんいつも疲れた顔してる」

翼くんにも同じことを言われた。そんなに分かりやすかったのか、私。

「怪盗ムーンが、私のキーホルダーを取り戻してくれたとき」

凛ちゃんは、少し声を落とした。

「月のカードのメッセージ、丁寧な字で書いてあったの。テスト前にノートを見せてもらったときから、美月ちゃんの字と似てるなって思っていたんだ」

全身の血が凍りついた。

「美月ちゃんが……怪盗ムーンなんだよね?」

「……っ」

心臓が、耳の奥でうるさく鳴っている。
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