クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした

「ずっと二人で話し合ってたんだ。美月ちゃんが自分から話してくれるまで、陰ながら支えようって」

知らなかった。私の知らないところで、そんなふうに私のことを想ってくれていたなんて。

「だから今日、伝えようと思って。私にも手伝わせて、って」

「でも、危ないよ。もし、御影先輩に見つかったら……」

「大丈夫」

凛ちゃんは、にっこり笑った。

「美月ちゃん、ずっと一人で頑張ってたんでしょ。私たち、友達じゃん。困ったときは、助け合うもんだよ」

のどの奥がじわりと熱くなった。

「……うん。私たち、友達だもんね。ありがとう、凛ちゃん」

「よし! じゃあ、私も怪盗ムーンの仲間だね」

凛ちゃんが、いたずらっ子のような顔でこぶしを小さく握った。

「えっ……危ないよ?」

「大丈夫! 美月ちゃんがピンチのときは、私が全力で時間を稼いだりするから」

凛ちゃんらしい、まっすぐで頼もしい宣言。

ひとりぼっちで夜の校舎を歩いていたあの頃の私に、教えてあげたい。

「本物」の味方は、すぐそばにいたんだよって。
< 82 / 107 >

この作品をシェア

pagetop