クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした
同じ月曜日の放課後。翼くんから『図書室で話したい』とメッセージが来た。
図書室に行くと、翼くんが真剣な顔で待っていた。
「春野さんから聞いた」
「うん。翼くん、二人で話してたんだね」
「美月が自分で話せるまで待ったほうがいいって、二人で決めたんだ」
翼くんは、照れくさそうに本棚のほうを向いた。
「それで……今回、御影先輩の注意を逸らす作戦を考えてる」
「作戦?」
「生徒会の手伝いをしながら、先輩に少しだけ違う情報を渡す。図書室じゃなく体育館周辺を気にさせるようにする」
「でも、それだと先輩に嘘をつくことになるよ」
「わかってる」
翼くんは、私を見た。
「情報は渡す、判断は美月がする。それがこれまでの俺たちのやり方だろ?」
前に交わした約束を、翼くんはちゃんと覚えていた。
「……ありがとう」
「お礼はいらない。作戦の中身を詰めよう」
翼くんは、ノートを開いた。