無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
「ずっと……苦しまれていらっしゃったのですね」

「え?」

真白は白い華奢な手をこちらに伸ばす。

「な……にを」

真白はその手で俺の肩にそっと触れた。

(!)

彼女の予想外の行動に俺は目を見張ってから、慌てて突き放した。

「正気か?! 感染するぞ! 今すぐ手を洗え!」

「大丈夫です」

「何を言って……ぐっ……」

再び尋常ではない痛みが襲い、それを堪えるように俺は身を屈めた。

真白は再び手のひらで俺の肩にそっと触れる。

「大丈夫です。深呼吸をなさってください」

「……っ。やめろ……」

「離しません」

「ぐ……っ、真白、早く手を……っ」

「ずっと千隼様にお伝えしてないことがございます。私は生まれつき毒が効かない体質なのでございます」

「なんだ、と……?」

「毒が効かないなど、毒を操る鬼と同じで気味が悪いですよね。千隼様に……そう思われたくなくて……ひた隠しにしてまいりました……申し訳ございません」

真白の話に耳を傾け、彼女の手のひらの小さな熱を感じていれば、痛みは嘘のように和らいでいく。

俺は痛みが消えた身体をゆっくり起こすと、信じられない気持ちで真白を見つめた。
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