無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
一之宮家の一人娘として期待されて育ち、毎日五時間に及ぶ座禅で集中力を養い、どこに出しても恥ずかしくないよう高い教養を身に着けることも義務付けられ自由な時間など皆無だった。

それでも母のように立派な“浄化師”となるべく一生懸命に稽古を続けた。

しかし力が目覚めるはずの六歳を過ぎても、私に“浄化”の力が目覚めることはなかった。

私に愛想をつかした父は、母の死をキッカケに姪を養子に迎えると、その子ばかり可愛がった。

周りの人々は能力のない私を腫物のようにを扱うようになり、やがて“無能モノ”と陰口をたたき冷遇するようになった。


──『大丈夫。必ず真白を必要としてくれる人が現れるから。それまで前を向いて生きるのよ』

そう言って私をいつも気にかけてくれたのは母だったが、そんな母は私が七つになって間も無く病気で亡くなった。

「お母様……、私はやっぱり誰にも必要とされないようです」

一度でいい。それもたった一度でいいから誰かに必要にされたい。

生まれた意味が欲しい。

それはそんなに欲張った思いなのだろうか。

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