無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
千隼様は掛け軸を手に取ると私にかからないように息を吹きかけて埃を払ってから、こちらに向けた。
そこには黒髪の女性が淡いピンクの着物に身を包み、桜模様の衣を羽織って天へむかって飛んでいく姿が描かれており、墨で“桜天女”と明記されている。
「綺麗……」
「俺もひいおじい様から聞いたことがあるくらいが、初代当主の妻は“桜天女”とよばれ、特別な力をもっていたそうだ。当主はその妻を深く愛し、彼女の姿を元に家紋を作らせたらしい」
「素敵なお話。奥様をとても愛されていたんですね」
「……そうだな」
千隼様のお声が少しだけ寂しげに聞こえたのは気のせいだろうか。
千隼様が掛け軸を床に置き、日記帳を探し始めたのをみて私も再び手を動かす。
その時、下の方にある一冊の本が僅かに光を帯びた気がした。
(ん?)
行灯の明かりが何かに反射しただけだろうか?不思議に思いつつ、本の山からその本を引き出してみる。
(これは……!)
「見てください千隼様」
駆け寄ってきた千隼様にすぐに私はその本を差し出した。表紙には『神堂一介乃日記帳』と書かれている。さっとページをめくって中身をざっと確認した千隼様は私の頭にポンと触れた。
「よく見つけたな、初代の日記帳はこれだ」
「すぐに中身を確認しましょう」
「そうしよう」
私たちは蔵から出ると互いのほこりを払いながら、私の私室へ向かった。
そこには黒髪の女性が淡いピンクの着物に身を包み、桜模様の衣を羽織って天へむかって飛んでいく姿が描かれており、墨で“桜天女”と明記されている。
「綺麗……」
「俺もひいおじい様から聞いたことがあるくらいが、初代当主の妻は“桜天女”とよばれ、特別な力をもっていたそうだ。当主はその妻を深く愛し、彼女の姿を元に家紋を作らせたらしい」
「素敵なお話。奥様をとても愛されていたんですね」
「……そうだな」
千隼様のお声が少しだけ寂しげに聞こえたのは気のせいだろうか。
千隼様が掛け軸を床に置き、日記帳を探し始めたのをみて私も再び手を動かす。
その時、下の方にある一冊の本が僅かに光を帯びた気がした。
(ん?)
行灯の明かりが何かに反射しただけだろうか?不思議に思いつつ、本の山からその本を引き出してみる。
(これは……!)
「見てください千隼様」
駆け寄ってきた千隼様にすぐに私はその本を差し出した。表紙には『神堂一介乃日記帳』と書かれている。さっとページをめくって中身をざっと確認した千隼様は私の頭にポンと触れた。
「よく見つけたな、初代の日記帳はこれだ」
「すぐに中身を確認しましょう」
「そうしよう」
私たちは蔵から出ると互いのほこりを払いながら、私の私室へ向かった。