無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
「ほんとにそう思ってるの?」
「はい……」
「じゃあいつもの言ってよ」
私はぐっと奥歯を噛み締めてから、その言葉を口にする。
「“無能モノ”の私がこうして今日も暮らせているのは彩芽様のお陰です」
「あはは。いいわね、その通り」
いつも彩芽様の私への風当たりは強い。でも仕方ない。彩芽様の仰ることは最もだからだ。無能な私のせいで彩芽様は毎日、浄化のために身を粉にして勤めを果たされているというのに、私は一日中屋敷で掃除や縫い物をしているだけ。
千隼様は帝都へ向かわれる際、自身が長を務める鬼狩り部隊“極楽隊”の隊員の半分を街の防衛にと残していかれた。また彩芽様に隊員たちの瘴気の浄化と土地の浄化を直々に頼んでから帝都に向かわれたそうだ。
「本来、浄化はアンタの仕事なんだからね」
「申し訳ございません」
俯かないようにしようと思っても、視線は勝手に下を向いてしまう。
「それにしても本当に千隼様がお気の毒だわ。ボンクラの占者のせいであたしとの婚姻が破談になったんだもの」
そう、彩芽様は千隼様と幼馴染であり気心知れた仲。また二人の優れた能力から婚姻を後押しする声は内外共に多かったと言う。
「……申し訳ございません」
「はぁ? あんた馬鹿なの? そればっか聞き飽きたんだけど。謝るくらいなら千隼様が帰ってくる前にさっさと出て行きなさいよっ」
向けられている激しい嫌悪を秘めた目に身体が硬直する。
「出ていく、とは……?」
「はい……」
「じゃあいつもの言ってよ」
私はぐっと奥歯を噛み締めてから、その言葉を口にする。
「“無能モノ”の私がこうして今日も暮らせているのは彩芽様のお陰です」
「あはは。いいわね、その通り」
いつも彩芽様の私への風当たりは強い。でも仕方ない。彩芽様の仰ることは最もだからだ。無能な私のせいで彩芽様は毎日、浄化のために身を粉にして勤めを果たされているというのに、私は一日中屋敷で掃除や縫い物をしているだけ。
千隼様は帝都へ向かわれる際、自身が長を務める鬼狩り部隊“極楽隊”の隊員の半分を街の防衛にと残していかれた。また彩芽様に隊員たちの瘴気の浄化と土地の浄化を直々に頼んでから帝都に向かわれたそうだ。
「本来、浄化はアンタの仕事なんだからね」
「申し訳ございません」
俯かないようにしようと思っても、視線は勝手に下を向いてしまう。
「それにしても本当に千隼様がお気の毒だわ。ボンクラの占者のせいであたしとの婚姻が破談になったんだもの」
そう、彩芽様は千隼様と幼馴染であり気心知れた仲。また二人の優れた能力から婚姻を後押しする声は内外共に多かったと言う。
「……申し訳ございません」
「はぁ? あんた馬鹿なの? そればっか聞き飽きたんだけど。謝るくらいなら千隼様が帰ってくる前にさっさと出て行きなさいよっ」
向けられている激しい嫌悪を秘めた目に身体が硬直する。
「出ていく、とは……?」