甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
だから、喜びも嬉しさも全部込めてブーケを渡した。

名残惜しさがありながらも、私は控え室を出て、急いで自分の準備に向かう。

近くの美容室も予約しているので、このまま行けば間に合うだろう。

結婚式場の廊下を急足で歩きながら、「まだ結婚式は始まっていないんだなぁ」とふと思った。

また撤収作業があるけれど、結婚式までの私の仕事は終わった。

ちゃんとやり遂げた。

そのことを実感して、初めて肩の力が抜けたのが分かった。

(やっぱり緊張していたよね……)

心の中でそう自分に声をかけて、私は式場から一度外に出た。
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