甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
私と目を合わせた空雅くんの瞳は、もう何かを決意していて……先ほどまでの悲しみや動揺のようなものを一切感じない。

そして、どこか冷たさすら感じる口調で述べるのだ。

「そのままの意味です。澪花さん、俺と結婚して下さい」

「どういう意味……?」

「澪花さんはご自分の実家のことを知っていますか? お祖父様の会社のことも」

理解出来ないまま、何とか頭を働かせて、言葉を紡いでいく。

「お爺ちゃんの会社は、確か……先祖からやっている家具メーカーを続けていて……。でも、今はもう細々と……」

「経営不振だそうですね」

「え……」

初めて聞いた話だった。

しかし、確かに最近のお爺ちゃんは忙しそうで、焦っていて、疲れていることは気づいていた。

それでも「大丈夫」だと笑って、それ以上は踏み込ませてくれなかった。

頭の中が熱くなって、混乱しているのがよく分かる。
< 66 / 90 >

この作品をシェア

pagetop