甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
空雅くんが立ち上がって、私の頬を手でムニっと摘んだ。





「もう、逃しませんから」





言葉の意味は分からないのに、空雅くんが摘んだ頬が全く痛くなくて笑ってしまう。

だって、空雅くんの手が強く摘んでないから。

「ふふっ、やっぱり空雅くんは優しいね」

「無理やり契約結婚させられて、そんなことを言うのは澪花さんくらいだと思いますけどね」

「大人の余裕ってやつかなぁ」

わざと冗談のように軽くそう返した。

正直まだ頭も心も追いついていないし、まさに夢を見ているように感じるほど現実味もない。

詳しいことはまた空雅くんやお爺ちゃんにしっかり聞くけれど……。

それでも、これから私たちは結婚するらしい。

それも利害の一致で。

正直どうなるのかも全く予想出来ない。
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