悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました
「緊急オペって、まさか言ってた心臓のことで?」
《そう、職場の方から連絡もらって。お父さんと急いで搬送された病院に向かったんだけど、まだ到着する前に緊急オペに入らせてほしいって》
「嘘、そんな急だったの?」
今年のお正月に帰省したとき、最近、胸に違和感があるという話題が出た。
そのときは両親も私も、一度診てもらったらとそこまで重くない会話のひとつでそんな話をしていた。
その後に病院にかかったかは知らないけれど、こうして緊急オペになるならきっと受診はしていないのだろう。
「それで、お兄ちゃんは?」
《さっき、無事手術は終わったの。だから、とりあえず美優にも連絡しないとって》
「そっか、よかった……」
内容が内容だけに心拍が上がったけれど、安堵する報告で気持ちは落ち着いていく。
《ごめんね、仕事中に。メッセージ送ればよかったんだけど、そこまで頭が回らなかったわ》
「ううん、大丈夫。お母さんたちも大変だっただろうし……。で、しばらく入院になるんでしょ? どこの病院?」
《うん、聞いたら二週間くらいは入院になるみたい。病院は、航大の仕事場の近くの世田谷で、水瀬世田谷総合病院ってところなんだけど》
「えっ、水瀬!?」
まさかの病院名に絶句する。
目の前にあるパソコン画面上に広げた水瀬世田谷総合病院のホームページを目にしながら、運命のいたずらに息をのんだ。