悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました
「怖っ……」
「あー、ごめんごめん。これから取材する美優にこんな話するなってね。でも、ほんとガード堅いからね、あの人。いきなりアポ取って行く感じ?」
「とりあえず、今日の夕方に情報提供者と会うんだけど、実はさ、少し前から家族があの病院に入院してて」
千寿はフォークを止めて「えっ」と驚く。
「嘘、それって偶然に?」
「うん、取材するのが決まった日に私も知って。だから、患者家族としてひとまず潜入はしてるって感じ」
「そっか、それいいね。編集者って気づかれずに情報収集できる感じだ」
「まぁ、うまくいけばいいんだけどね。今の千寿の話聞くと、そう簡単ではなさそうかもって。でも、この仕事を成功させたら文芸への異動に口きいてもらえそうだから、頑張るよ」
ご褒美のニンジンのためなら、なにがなんでもやり遂げるつもり。
千寿は「そうなんだね!」と明るい表情を見せた。
「念願の児童書のほう行けるかもなのね。それじゃあ、なんとしてでも書かないとじゃん。頑張ってよ」
「ありがとう。なんとかやってみる」