悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました
夕方、十六時を回ると、情報提供者との約束のために会社を出る。今日はこのアポイントを終えればそのまま自宅へ帰宅していい。
水瀬拓海を調べたのと同様に、情報提供者についてもある程度の情報を集めた。
佐渡光一郎、心臓血管外科医、四十八歳。現在はあの水瀬世田谷総合病院の心臓血管外科で外科部長を務めている。
この仕事を請け負ってからずっと疑問に思っているのは、なぜ、今になって三年も前の医療ミスを記事にしてほしいと依頼してきているのか。
千寿が初めに担当することになったのが約半年前。そのとき取材を続行することが困難となり、大久保編集長が依頼主に取材保留の申し出をしたという。
当時、週刊ジャスティス編集部ではふたつの大きな事件を追っていて忙しく、手が足りないという内部事情もあったのだ。
急ぎならば他の週刊誌を当たってほしいとお願いし、一旦は関西水瀬総合病院の件から離れたものの、最近になって再度どうしても週刊ジャスティスで記事を書いてほしいと依頼があったという。
なにか、依頼主にとってもどうしても水瀬拓海を暴きたい理由があるのか……。
その点も踏まえて、依頼主からは話を聞きたい。