悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました


 佐渡外科部長から指定されたのは、新宿駅西口からほど近いホテルの一階ラウンジ。

 彼の名前で席を取っていると事前に聞いていて、早めに到着したため受付で彼の名前を告げる。

 案内された席はまだ空席で、彼の到着を待ちながら話を聞く内容の再確認を行った。


「すみません、波多野さん。お待たせしました」


 私の到着から十分もしないうち、佐渡外科部長が到着する。紺色のスーツに身を包んだ彼は小柄な男性で、眼鏡をかけた至って真面目そうな第一印象だ。

 ソファを立ち上がり「初めまして」と挨拶をする。用意しておいた名刺を取り出した。


「週刊ジャスティス編集部の、波多野です。よろしくお願いいたします」

「ご丁寧に。佐渡です」


 挨拶を済ませると、頃合いを見計らったように黒服のスタッフがオーダーを取りに来る。

 ふたりともコーヒーを頼んだ。


「一度断られたから、また受けてもらえてよかったです。今度こそ、記事にしてもらいたい」

「その節は、ご迷惑をおかけしました。今回は、私のほうでしっかり記事にさせていただきますので」

「彼は現場から離れるべき医師だ。野放しにしておけば、またなにか問題を起こすに違いない。一刻も早く追放したい」


 早速本題に入った佐渡外科部長の面持ちは、急激に暗く深刻に変化する。

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