悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました


「あの、単刀直入にですが……水瀬拓海医師はいったいなにを?」

「判断ミスで、患者を見殺しにしたんだ」

「えっ……」


 記者としてではなく、個人的な感情で声が漏れる。

 患者を、見殺しにした……?


「あの当時、私は関西水瀬総合病院の心臓血管外科を取りまとめていた。後継者とはいえ、上の人間の指示には従うのが当然のことなんだ。それなのに、彼は勝手な判断で助かるはずの患者を死亡させた」

「佐渡さんの指示に背き、患者が亡くなった……そういうことですか」

「上司の指示に従わない、勝手な判断をする、これも立派な医療ミスだ。現に犠牲者が出ている」

 運ばれてきたコーヒーにミルクを注ぎ、佐渡外科部長は早速カップを口にする。

「その、亡くなった方のご遺族とか、お話を伺うことって可能でしょうか」

「取材を受けてもらえるかはわからない。なんせ、水瀬病院を恨んでいるだろうからな。でも、当時のことを記事にしてもらえるのなら、応じてもらえるかもしれない」

 佐渡外科部長はそう言うと「その件は、また秘書から連絡させよう」と言った。


「ありがとうございます」

「彼本人にはまだ会ってないですか」

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