来年も、君と桜を。
ーーでも。


(ダメだよ)

心の奥で、小さくブレーキがかかる。


(こんなの、続くわけないのに)


分かってる。

分かってるのにーー



「……蓮くん」

「ん?」

気づけば、名前を呼んでいた。


「……なんでもない」


言葉は続かなかった。



このときの私は、

まだ“恋”だなんて思っていなかった。


ただ少しだけ、

この時間が好きだと思い始めていただけ。
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