響け!涙のペザンテ
アントーニョとオルハンが睨み合う。二人が互いに拳を握り締めたその時、カナタとリズが喧嘩を止めるようにジュースやグラスを持ってきた。

「みんなで乾杯しましょう!」

「グラスどうぞ」

成人済み組はお酒を、未成年組はジュースをグラスに注ぐ。そしてそのグラスが「乾杯!」という言葉と共に軽くぶつかった。

飲んで、食べて、歌って、踊って、はしゃいで、話す。夢のように楽しい時間が過ぎていく。レオンハルトも、リズも、アントーニョも、オルハンも、マーガレットも、カナタもみんな笑っていた。

「アハハ!」

リズが笑う。その笑顔にレオンハルトは見惚れていた。この瞬間、この場にいることができてよかったと心から思う。

(リズがここでずっと笑っていてくれたなら……)

この時、誰も想像すらしていなかった。このパーティーをした翌日リズが行方不明になることを。







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