妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
「え、どこ?」
愛を求めて鳴く虫と共に視界の両側に立つ木々の枝葉がささやかな音楽を奏でている。
普段よりずっと地面に近い場所にいるから、大地と緑の匂いを強く感じた。
「あそこ。でも、もう消えた」
人差し指を伸ばし、星が瞬く空の一点を指してからリュオンが手を下ろした。
「逆方向を見ていたから見逃してしまったわ。残念……どうしたの?」
リュオンは顔を横に向けてじっと私を見ている。
私も首を動かして隣に寝転がっているリュオンを見返す。
すると、不意打ちのようにリュオンは甘く微笑んだ。
ドキリと心臓が跳ねる。
「な、何?」
「いや。セラが隣にいる現実が不思議だと思って。おかしいよな、もう二ヶ月も一緒にいるのに。怖いくらいに幸せで――あまりにも幸せすぎて、いまでもたまに都合の良い夢か幻でも見てるんじゃないかと不安になったりするんだ」
「夢でも幻でもないわ。私はちゃんとここにいる。あなたの隣に」
少し熱くなった頬を意識しつつそう言うと、「そうだな」とリュオンは穏やかに微笑んだ。
金と赤の《魔力環》が浮かぶ綺麗な瞳に見つめられると、呪縛されたように身動きができなくなる。
夜風に艶やかな彼の髪がふわりと揺れる。ただそれだけでまた心臓が跳ねる。
夜に見る彼は昼とはまた違った魅力がある。
いまの彼は魔性の美に加えて色気すら漂わせており、眩暈がしそうだ。
愛を求めて鳴く虫と共に視界の両側に立つ木々の枝葉がささやかな音楽を奏でている。
普段よりずっと地面に近い場所にいるから、大地と緑の匂いを強く感じた。
「あそこ。でも、もう消えた」
人差し指を伸ばし、星が瞬く空の一点を指してからリュオンが手を下ろした。
「逆方向を見ていたから見逃してしまったわ。残念……どうしたの?」
リュオンは顔を横に向けてじっと私を見ている。
私も首を動かして隣に寝転がっているリュオンを見返す。
すると、不意打ちのようにリュオンは甘く微笑んだ。
ドキリと心臓が跳ねる。
「な、何?」
「いや。セラが隣にいる現実が不思議だと思って。おかしいよな、もう二ヶ月も一緒にいるのに。怖いくらいに幸せで――あまりにも幸せすぎて、いまでもたまに都合の良い夢か幻でも見てるんじゃないかと不安になったりするんだ」
「夢でも幻でもないわ。私はちゃんとここにいる。あなたの隣に」
少し熱くなった頬を意識しつつそう言うと、「そうだな」とリュオンは穏やかに微笑んだ。
金と赤の《魔力環》が浮かぶ綺麗な瞳に見つめられると、呪縛されたように身動きができなくなる。
夜風に艶やかな彼の髪がふわりと揺れる。ただそれだけでまた心臓が跳ねる。
夜に見る彼は昼とはまた違った魅力がある。
いまの彼は魔性の美に加えて色気すら漂わせており、眩暈がしそうだ。