妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
「目の前に可愛い猫がいるのに見つめることもできず、触ることもできない――あれは一種の拷問に近かったわ。だから、今度は本物の黒猫を飼いたい。その子が許してくれるなら顎の下をくすぐって、撫でて、お尻を叩いて――とにかく思う存分戯れたいわ」
「あははは。なるほど。じゃあできれば黒猫。無理だったら他の猫で」
「ええ、他の猫も可愛いもの。白猫、キジトラ、三毛猫……ああもう許されるなら全部飼いたい。でも猫屋敷になりそうだから駄目ね。たとえどんな猫にせよ、巡り会った運命のその一匹に愛情を注ぎましょう」
「……猫を飼ったらセラの愛情がそっちに全部いってしまいそうだな。やっぱり飼うのはナシで」
リュオンはふいっと顔を背けてしまった。
「えっ、嫌よ! 飼いたい!」
私は上体を起こし、伸ばした両腕の間にリュオンを挟んで敷布に手をついた。
リュオンは覆い被さった私をびっくりしたように見上げた。
それから、目を細めて笑う。
「……猫だけじゃなく、おれのこともちゃんと愛してくれる?」
リュオンが両手を伸ばして私の頬を掴み、引き寄せる。
「誓うわ」
「ならいい、飼おう。楽しみだな」
「ええ、とっても」
目を閉じて二度目のキスを交わす。未来の旦那様に、心からの愛を込めて。
私たちの頭上ではいくつもいくつも星が流れていた。
《END.》
「あははは。なるほど。じゃあできれば黒猫。無理だったら他の猫で」
「ええ、他の猫も可愛いもの。白猫、キジトラ、三毛猫……ああもう許されるなら全部飼いたい。でも猫屋敷になりそうだから駄目ね。たとえどんな猫にせよ、巡り会った運命のその一匹に愛情を注ぎましょう」
「……猫を飼ったらセラの愛情がそっちに全部いってしまいそうだな。やっぱり飼うのはナシで」
リュオンはふいっと顔を背けてしまった。
「えっ、嫌よ! 飼いたい!」
私は上体を起こし、伸ばした両腕の間にリュオンを挟んで敷布に手をついた。
リュオンは覆い被さった私をびっくりしたように見上げた。
それから、目を細めて笑う。
「……猫だけじゃなく、おれのこともちゃんと愛してくれる?」
リュオンが両手を伸ばして私の頬を掴み、引き寄せる。
「誓うわ」
「ならいい、飼おう。楽しみだな」
「ええ、とっても」
目を閉じて二度目のキスを交わす。未来の旦那様に、心からの愛を込めて。
私たちの頭上ではいくつもいくつも星が流れていた。
《END.》

