妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
「意識がない状態で触ったらどうなるのか実験してみてほしい。大丈夫。もし猫になってもおれが元に戻す」
リュオンは伯爵夫妻が血眼になって探し求めた『ユリウス様の猫化を解除できる魔女』だ。
もっとも、リュオンが行えるのは『一時的な解除』であって、本当の意味での『魔法そのものの解除』は原則魔法をかけた魔女しかできない。
しかし、ユリウス様に魔法をかけた魔女ドロシーは行方知れずなので、リュオンにすがるしかないのが現状だ。
「……わかったわ。試してみましょう。正直に言うと、私も眠るユリウス様が苦しげなのが気になっていたから。このまま立ち去りたくなかったの」
愛犬を失ったせいなのか、結婚式で花嫁に逃げられたせいなのか、それとも別の要因があるのか。はたまた単純に悪夢を見ているだけなのか。
わからないけれど、とにかく、私はユリウス様の眉間の皺を取り除きたい。
私は長椅子の前に跪き、恐る恐るユリウス様の肩に触れた。
ユリウス様の身体に変調が起きる兆しはない。
「……意識がなければ女性が触れても大丈夫なんだな。やっぱり猫に変わる原因は精神的な心労か」
少し離れた場所から観察していたリュオンが呟いている。
「大丈夫。大丈夫です」
できるだけ穏やかな、優しい声で言いながら、私はあやすように軽く肩を叩いた。
リュオンは伯爵夫妻が血眼になって探し求めた『ユリウス様の猫化を解除できる魔女』だ。
もっとも、リュオンが行えるのは『一時的な解除』であって、本当の意味での『魔法そのものの解除』は原則魔法をかけた魔女しかできない。
しかし、ユリウス様に魔法をかけた魔女ドロシーは行方知れずなので、リュオンにすがるしかないのが現状だ。
「……わかったわ。試してみましょう。正直に言うと、私も眠るユリウス様が苦しげなのが気になっていたから。このまま立ち去りたくなかったの」
愛犬を失ったせいなのか、結婚式で花嫁に逃げられたせいなのか、それとも別の要因があるのか。はたまた単純に悪夢を見ているだけなのか。
わからないけれど、とにかく、私はユリウス様の眉間の皺を取り除きたい。
私は長椅子の前に跪き、恐る恐るユリウス様の肩に触れた。
ユリウス様の身体に変調が起きる兆しはない。
「……意識がなければ女性が触れても大丈夫なんだな。やっぱり猫に変わる原因は精神的な心労か」
少し離れた場所から観察していたリュオンが呟いている。
「大丈夫。大丈夫です」
できるだけ穏やかな、優しい声で言いながら、私はあやすように軽く肩を叩いた。