妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
「あなたは一人ではありません。皆がいます。皆があなたのことを心配しています。だからいまは何も考えず、ゆっくり休んで。もう眠る時間ですよ。大丈夫。大丈夫ですから――」
言葉を重ねようとしたそのとき。
それ自体が意思ある個体のように、ユリウス様の右手が急に跳ね上がって、私の手首を掴んだ。
「えっ」
余計な真似をしてしまったせいで起こしただろうかと慌て――ユリウス様の表情を見て、その必要がないことを知る。
ユリウス様は変わらず瞼を閉じていた。
けれど、いままでとは違って、その眉間から皺が消えている。
ただし、私の手をがっちり掴んだまま。
眠っているせいか、ユリウス様の手は温かい。
「………………。えーと……どうしましょう?」
これでは動けない。
困ってリュオンに助けを求めると、彼は苦笑した。
「起きるまで付き合ってやってくれる? 椅子を持ってくるから」
「……ええ、構わないけれど」
……さて、ユリウス様はいつ起きてくださるのでしょう。
言葉を重ねようとしたそのとき。
それ自体が意思ある個体のように、ユリウス様の右手が急に跳ね上がって、私の手首を掴んだ。
「えっ」
余計な真似をしてしまったせいで起こしただろうかと慌て――ユリウス様の表情を見て、その必要がないことを知る。
ユリウス様は変わらず瞼を閉じていた。
けれど、いままでとは違って、その眉間から皺が消えている。
ただし、私の手をがっちり掴んだまま。
眠っているせいか、ユリウス様の手は温かい。
「………………。えーと……どうしましょう?」
これでは動けない。
困ってリュオンに助けを求めると、彼は苦笑した。
「起きるまで付き合ってやってくれる? 椅子を持ってくるから」
「……ええ、構わないけれど」
……さて、ユリウス様はいつ起きてくださるのでしょう。