妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
「そういう演出なんだろう。それより見ろよ、王都中に吹く風と、風に舞う色とりどりの花びらを。やはりイノーラ様の魔法は素晴らしい。彼女こそ《国守りの魔女》だ」
 そうそう、国民は馬鹿でいてくれなくてはね。

 搾取される立場のあなたたちがいなくては私の優雅な生活は成り立たないのよ。

「イノーラ妃殿下」
 と、ココが無表情で近づいてきた。

「先日、私たち宮廷魔女が所属する《賢者の塔》のカーマイト支部とヨレンダ支部が襲撃され、大変貴重な魔力増幅アイテムが根こそぎ強奪される事件が起きました。それを踏まえて、妃殿下のスカートが不自然に赤く光った理由を教えていただけますか? スカートの下に何を隠されているのですか?」

「…………」
 新たに生まれた冷や汗が頬を滑り落ちていく。
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