初夜を拒む皇女は敵国の皇太子に溺愛される

第4章 活気にあふれる町

この日はアルヴィオンが町に私を連れて行ってくれた。

町の視察を、定期的にしているらしい。

城の外へ出ると、思っていた景色とは違っていた。

アルヴィオンに伴われ、護衛を従えて歩く町。

石畳の通りには人が行き交い、活気に満ちている。

市場では、明るい声が飛び交っていた。

「いらっしゃい!」

「今日は新鮮な果物が入ってるよ!」

その声に、思わず足を止める。

「……こんなに、皆笑っている」

自然と呟いていた。

さらに目を向けると、子供たちが無邪気に走り回っている。

転んでも、すぐに笑って起き上がる。

その姿に、胸がわずかに緩む。

「……幸せそうな町」

気づけば、そんな言葉が零れていた。

見渡しても、荒れた家も、飢えた人の姿もない。

――どうして。

敵国のはずなのに。

私の知っている“滅ぼす側の国”とは、あまりにも違っていた。
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