初夜を拒む皇女は敵国の皇太子に溺愛される
ゆっくりと、目を覚ます。

差し込む朝の光が、やわらかく視界を照らした。

「……ん……」

まだ少し重たい体を動かすと、すぐ隣に温もりを感じる。

顔を向けると――彼がいた。

至近距離で、私を見つめている。

「おはよう、俺の妃」

低く、穏やかな声。

そう言うと同時に、そっと唇が重なる。

「……朝から元気ね」

思わず呟くと、彼はわずかに笑った。

「君を愛したくて仕方ないんだよ」

あまりにも自然に言われて、言葉を失う。

昨夜とは違う、穏やかな時間。

けれど、その想いは変わらない。

むしろ――

「……困るわ」

小さく言いながらも、離れようとはしない自分に気づく。

彼の腕が、優しく私を引き寄せる。

「困らせるつもりはない」

耳元で、静かに囁かれる。

「ただ、こうしていたいだけだ」

その言葉に、胸がじんわりと温かくなる。

私はそっと、彼の胸に身を預けた。

――もう、ここが当たり前の場所のように。
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